/ 7月〈1〉 猫との接し方
猫は、犬とは異なる種の動物です。犬とは違う対応をしなければいけないところが少なからずあります。一方では、私たち人間や犬と似た部分を持っています。犬と同じように問題行動を予防したり、飼い主さんと猫がよりよい関係を築くお手伝いになれれればと思います。

飼い主さんが守るべきルール
ペットを飼うのであれば、飼い主さん自身が幸せであること、ペットが幸せであること、ペットを飼うことで周囲に迷惑をかけていないこと。これらのことが守れるなら理想的なペットの飼い方だと思います。これはどの種類のペットにも当てはまることです。
本来、飼い主さんにとってペットは楽しみや癒しでなくてはならないのですが、悩みの種になってしまっていることもあります。また、多くのケースでは、不適切な飼育環境のストレスが原因で問題行動を起こしており、ペット自身も本当は幸せな状態ではない可能性もあります。
さらに、近隣の人からの苦情も出ているケースもあります。
犬猫を飼うには経験も大事ですが、行動学に基づいた正しい知識が必要であることを覚えておいてください。

正しい知識を
「古典的条件付け」と「オペラント条件付け」について
「古典的条件付け」と「オペラント条件付け」による学習方法は基本的に同じです。

★古典的条件付け(レスポンデント条件付け)
パブロフは犬の口に餌を入れるのと同時にブザーを鳴らし、これを繰り返し経験させると、犬は餌を口に入れてやらなくてもブザー音を聞くだけで唾液を分泌するようになります。これはブザー音という反射とは無関係な刺激(条件刺激)を無条件に起こさせる食物という刺激(条件刺激)に随伴させることで、ブザー音に対して唾液を分泌するという反応が結びついた。すなわち、条件反射の学習が成立したということなのです。

猫のしつけって?
★オペラント条件付け
スキナー(米国の心理学者)は「スキナー箱」と呼ばれる装置を考案して、ネズミに対して実験を行ないました。レバーを押せば給仕機から食べ物が出ることを学習させたネズミは頻繁にレバーを押すようになり、さらに次はレバーを押すと電気が流れる実験も行なったところ、ネズミは電気ショックの嫌な経験を学習し、今度はレバーに近づかないようになったということです。これは「好きなこと・良いこと」は何度でも繰返そうとし、「嫌いなこと・嫌なこと」は回避するようになるという法則性を説いています。

猫の習性を知ることから
しつけについても犬のようにしつけ教室で学ぶという機会はあまりないと思います。家庭猫として飼う上で必要なトレーニングは多くはありません。猫で大切なのはニーズを満たしてあげることだと思います。ほとんどの猫は十分にニーズが満たされていれば問題行動を起こすことなく幸せに暮らせるのではないでしょうか?
7月〈2〉 猫のニーズを満たすということ

この記事は2009年7月現在制作された内容です。記載内容は予告なく修正、変更を行なう場合が有ります。
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