坂井獣医科動物病院

/8月〈1〉 Tタッチ前編(Tタッチとは?)
皆さんこんにちは。今回は私が今勉強しているTタッチについてお話をしたいと思います。動物だけでなく、人間自身のQOL(quality of life/生活の質・生命の質)向上のために活用してみてください。

Tタッチとは?
Tタッチ(正式名称テリントンTタッチ)とは身体全体を指と手で円を描くように動かすことを基本としています。

大きな目的は、細胞機能や細胞感覚を活性化すること、つまり身体の電気スイッチをONにするようなものといえるでしょう。
例えば、玄関のチャイムがなると来客に吠えつづけ飼い主さんが「もういいからやめようね!」と言っても飼い主さんの声はまったく本人の耳には届いていないようで吠え続ける状態、つまりある一定の行動パターンを取ってしまうといった外的刺激から神経経路により運ばれる行動伝達情報を変化させていくことを目的としています。

Tタッチとは
Tタッチの効果
はじめに書いたように、Tタッチのボディーワークの目的は、動物体内の細胞の機能と活力を刺激し、ふだん使われていない脳への神経経路を活性化することです。研究の結果、円の動きが同時に4つの脳波形を活性化することがわかっています。さらにストレスも軽減するホルモンも分泌されます。さらにTタッチの効果として飼い主さんが自分の犬に対して理解を深められ、動物が飼い主さんを信頼し、動物が自身をもつことができます。また、動物の健康状態も改善されます。
Tタッチを施すことにより、過度の吠え、噛みつきリードの引っ張り、飛びつき、攻撃性の行動、恐怖からくる噛みつき、臆病、多動性、神経質、車酔い音への恐怖などへの対処にも役に立ちます。体のこわばりや関節炎、その他多くの行動や体の病気など加齢による問題にも効果があります。
Tタッチの中にはマッサージのようにみえるものもありますが、その目的は筋肉をリラックスさせるだけでなく、動物の行動に変化ももたらします。

Tタッチの効果
マッサージが筋肉をリラックスさせることは、よく知られています。Tタッチはこの概念をより一歩進めたものです。みなさんの犬が新しい形での学習を始め、協力的になり、数時間のセッションでその性格を永久に変えることが可能になります。1日に2〜10分のTタッチを行うことで、想像もしていなっかた結果があらわれます。しばらく続けると動物のほうから要求してくるかもしれません。
Tタッチのよい点はうまくしようと完璧な円を描く必要はありません。体のそれぞれの構造を知る必要もありません。また、何種類ものパターンのTタッチを行う必要もありません。最初はほんの数種類から始めて、だんだんとレパートリーを増やしていけばいいのです。
犬がもっとも喜ぶTタッチを見つけてあげてください。

リラックス
8月〈2〉 Tタッチ前編(Tタッチのやり方)
この記事は2007年9月現在制作された内容です。記載内容は予告なく修正、変更を行なう場合が有ります。
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