/ 2月〈2〉 悪性腫瘍の特徴
がんは若いときより老齢のほうが進行が遅いといわれています。それに伴ない飼い主さんが行う看護も長くなります。飼い主さん、動物両方にストレスが溜まります。
現在の状況、今後のことを考え最善の方法を考える必要があります。

がんが発生する過程
〈増 殖〉
勝手に増殖を続け、止まることがありません。
  
〈浸 潤〉
周囲の組織に染み込むように広がります。
  
〈転 移〉
体のあちこちの組織に飛び火するように広がります。

健康な生活
悪液質
がん細胞が分裂・増殖する際に体に必要な栄養素を奪い、また、癌組織から毒作用をもつ物質が放出されることによる、全身病的な衰弱状態をがん性悪液質といいます。

このような浸潤や転移を起こす悪性腫瘍ばかりが、命に悪影響を及ばすわけではありません。良性腫瘍でも、頭の中にできた腫瘍は脳の組織を圧迫して機能障害を起こしたり、場合によっては命に関わることもあります。そのため、良性腫瘍でも悪性腫瘍のように扱われることもあります。
このように、良性腫瘍だから安心していいとはいえません。しかし、良性の腫瘍は浸潤や転移、悪液質を起こすことが無いので外科的に完全切除すれば再発することはありません。

日々のスキンシップ
腫瘍の種類
乳腺腫瘍や肥満細胞腫、脂肪腫、肛門周囲腺腫、リンパ腫など腫瘍は体のどこにでもできる可能性があります。また、原発性以外にも転移により多臓器に見られる場合もあります。

治療の方法
薬物療法・・・薬物療法とは、抗がん剤などを使う化学療法をいいます。症状を和らげるための吐き気止め、痛み止めも薬物療法の一つです。
抗がん剤治療・・・内服薬、注射を使い、がん細胞を治療する方法。治療方法として、第一選択として行われることもあります。また、手術などと組み合わせて使われたり、手術前に使われることもあります。
放射線療法・・・癌の部位とその周辺に放射線を当てて治療する局所治療です。
免疫療法・・・体内の免疫細胞を増やして免疫力を強化し、自己の免疫力を用いてがんを治療する方法です。
代替療法・・・食事療法、サプリメントなどがあります。

治療の方法
● 終末期医療
終末期医療、週末期ケア(ターミナルケアー)ともいわれ、延命を目的とするのではなく、生活の質(QOL)の維持・向上を目的とした医療的処置などにより、身体的、精神的苦痛を軽減する看護や介護のことをいいます。
しかし、さまざまな理由で安楽死という選択肢を選ばなければいけないこともあります。
腫瘍については来月も取り上げたいと思います。次回は色々な腫瘍について勉強してみましょう。

2月〈1〉 腫瘍について

この記事は2009年2月現在制作された内容です。記載内容は予告なく修正、変更を行なう場合が有ります。
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