坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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  2011年4月 馬のTタッチ(2) NEW  
     
  よくみてみると、首の辺りの毛の色や流れが他とは違いました。お腹も下に下がり腰が湾曲していました。他の馬にもよくあるのですが、やはり背中に鞍を乗せ人を乗せるということは背中や首に負担をかけているんだなと感じました。直接そこを触ってみました。背中やお腹は触っても最初の方は少し落ち着かなかったのですが、すぐ受け入れてくれるようになりました。

しかし首の辺りを触ろうとするとすぐ首を動かし拒否してきました。何か痛みがあるのかもしれません。そこで、たてがみを使って毛をまわしてあげるタッチ(ヘアースライド)に変えてみました。とっても敏感なのでソフトにソフトにしました。するとその場所も少しずつですがうけいれてくれるようになってきました。他にも前足を触るととても冷たかったのでオクトパスというタッチを施しました。このタッチはとってもうれしそうでした。

企画記事だいぶん関係性を築けてきたと感じたので顔のタッチを試してみました。オーナーのだんなさんも一緒にタッチしていきました。目の周りはもともと好きですぐ受け入れたのですが、耳の辺りに行くと顔をあげて嫌がりました。結局なんどか試みましたが耳や口周りは完全には触らせてはくれなかったのであまり執拗にそちらをタッチしつづけても逆に嫌がるようになるので、次回の課題にしました。

最後にしっぽのタッチを試してみようかと思いオーナーに触っても大丈夫か聞ていみると今なら大丈夫ということだったので、少しタッチをしてみました。タッチが終わり全体を観察してみると馬の腰の湾曲がとてもまっすぐになっていました。

1時間ぐらいタッチをしていたので初めにタッチしすぎると処理しなければいけない情報が馬のとってたくさんすぎるかなと思い終了となりました。

 
   
  企画記事最後にみんなで記念写真をとっていたのですが、オーナーのお話では初めての人にこれだけ受け入れたのもめずらしいし、写真をとるとき横に院長の奥さんが近づいたのですが自分から近寄り匂いを嗅いでいる行為は今まではなかったそうでびっくりしたといわれていました。厩舎に帰るとき足取りも軽かったそうで変化におどろいていました。

Tタッチのすごいと思うところははっきりと人間の思いを伝えることが出来、信頼関係を深めどんな人でも出来るという点です。今回の経験でさらにそれを感じました。

 
  また、機会があったらタッチさせていただくことにしました。
本当に貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
 
     
  2011年4月 馬のTタッチ(1)  
  この記事は2011年03月に制作された内容です。  
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