坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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診察室日記
診察室日記
  2016年4月 安らかにペットを見送るために  
 

いつまでも子供の様に思ってしまう愛犬・愛猫ですが、私たちの何倍ものスピードで歳を重ねていきます。いつでも近くにいてくれて、これからもずっと側にいてくれると思っていたのに別れは突然やってきます。


 
     
  ペットの最期の迎え方  
  最後の迎え方ペットの残された時間を大切に過ごすことと、葬儀までの間亡がらをきれいに安置することは、ペットの最期にできる飼い主さんの大切なお世話。ペットのことを第一に考えて、最期をどう迎えさせるかを決めましょう。  
     
  見取り方と場所を考えましょう  
  家族と考えましょう病気や不慮の事故、老いでペットが衰弱してきた時、その最期をどこでどう迎えるのかは重要です。残された時間がわずかになったら、獣医師と相談して見取り方を考えましょう。家族の意見が統一されていないと後悔しやすいので、事前に十分話し合いましょう。  
     
  獣医師との相談  
 

獣医師に聞くこと
治療で望める延命期間や、その治療でペットが受ける負担を確認しましょう。必要となる費用の目安も確認しておきましょう。

   
飼い主さんの決めること
治療による負担以外にも、自宅で介護できるのか、ペットは自宅と
病院のどちらかが落ち着けるのかも、判断材料に。
 
     
  見取る場所の決定  
 

ペットの落ち着ける場所自宅で見取る場合
今後の回復が望めず、ペットが落ち着ける環境で最期を過ごさせたいなど、自宅での見取りが選ぶこともできます。臨終に立ち会いやすいものの、常時介護が必要になり飼い主さんに時間がないと充分な介護が難しい面もあります。また、異変があった時にすぐに対応しにくいことも考えられます。

   
病院で見取る場合
治療で苦痛を抑えられたり、わずかでも延命が望めるなど、病院に入院させる選択肢もあります。異変への対応がすぐに受けられることもできます。しかし、病院への飼い主さんの移動が必要で、時には臨終に立ち会えないことあります。
 
     
 

亡きがらを傷めずに安置するには

 
  見守りやすい環境家族が見守りやすい場所に亡きがらを安置して、火葬までの最期の時間を一緒に過ごしましょう。その際、亡きがらを傷めないための手入れと、環境づくりを行う必要があります。  
     
  ペットについて  
 

体液が漏れ出てこないように、口や鼻・耳・肛門などに脱脂綿をつめて栓をします。

   
しっかりと絞った濡れタオルで体を拭きます。ブラッシングで毛並みを整えてもいいでしょう。
   
死後数十分がたつと体の硬直が始まり、動かすのが難しくなります。
移動させやすいように、足を折りたたんでおきましょう。
 
     
  環境について  
 

ペットが納まる大きさのきれいな段ボール箱などを用意。移送できる
頑丈さがあれば大丈夫です。

   
血液や排泄物などが漏れ出ることがあるため、箱の底にシーツを敷いて。その上に箱から取り出す際に抱えやすいように タオルを敷き、亡きがらをおきます。
   
温度が高いほど亡きがらが傷むので、温度調節のできる室内に安置しましょう。夏ならエアコンをドライモードの25℃以下に設定して、室温を下げます。冬ならヒーターやストーブなどの暖房器具を切って、室温を低く保ちます。
   
タオルにくるんだ保冷剤などで亡きがらを冷やします。発酵ガスが出やすいおなかの近くに置くことで、ガスによる体のふくらみを抑える効果も。
 
     
  最後のお別れの時には  
  最後のお別れの時に葬儀までの間に自宅に安置した亡きがらに花を添えたり、おやつを供えたりしてお別れ会を行うと、心の整理になることも。その際、家族だけでなく親しいペット友達、かわいがってくれた近所の方々を呼ぶ人もいます。お別れ会は亡きがらが傷まないよう、夏場は死後1〜2日以内、冬場は2〜3日以内に済ませましょう。  
     
  新しい季節を迎え心躍る頃となりました。春風を感じに外へお出かけになるのも良いですね。  
     
  この記事は2016年4月に制作された内容です。  
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