坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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診察室日記
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  2017年4月 『誤食』について  
 

 フードやおやつ以外の、食べてはいけない物を食べてしまう事を『誤食(または誤飲)』と言います。何事もないことが多いですが、飲み込んだ物の種類や大きさ等によっては、入院が必要であったり、内視鏡で取り出さなくてはいけなかったり、お腹を切り開かなくてはいけないということも。実際に誤食してしまい当院でお腹を開いて異物を取り出した症例をいくつか紹介します。

 
     
 

ビー玉

  ビー玉 これは実際に小型犬が飲み込んでしまったものです。さほど大きくなくツルツルしているので異物感から吐き戻したり、そのまま便と一緒に出てしまってもおかしくはないのですが、この時は腸でピッタリ動かなくなってしまったため手術となりました。
   
釣り針と釣り糸
 

釣り針と釣り糸  海岸へお散歩に行かれる際には注意していただきたい、釣り針と釣り糸。これは実際に小型犬が飲み込んでしまったものです。裁縫に使う針と糸をそのまま飲み込んでしまったケースも、ワンちゃんネコちゃん共にあります。「釣り針はともかく、こんなに細長い糸なら大丈夫だろう」と思われるかもしれませんが、長い紐や繊維は腸の運動で腸壁を傷つけたり、絡まって壊死したりする可能性が高いです。「口から(または、お尻から)糸(紐)が出ている」という事があっても慌てて引っ張ってはいけません。糸が引っ張られて、腸を切ってしまう恐れがあります。

   
   おそらくどのご家庭にもある、スウェットの紐です。なんと、小型犬が丸々飲み込んでしまいました。ワンちゃんネコちゃんには立派な歯がありますが、基本的には食べ物を引きちぎることに使われます。私たちのようによく咀嚼(そしゃく)をする動物ではないのです。基本はすぐに飲み込んでしまいます。「この体でどうやってこんな物を?」という誤食は少なくありません。
紐
   
  石 お散歩へ行くと必ず転がっている石。右端はマグネットです。これは大型犬が実際に飲み込んでしまったものです。ある程度小さな石であれば食べてしまっても異物感から吐き出したり、便と一緒に排泄されてしまうことが多いですが、形が特別いびつだったり大きいものだと腸閉塞の原因になってしまいます。
   
  布 ボロボロになってしまっていますが、これは雑巾です。これをたべた子(ネコ)は特に変わった物(雑巾やビニールなど)を食べたがる節がありました。もしご家庭のワンちゃんネコちゃんに心当たりがあるようでしたら、特に気をつけてください。
 
     
 
異物が腸で詰まってしまった際、以下のような症状が見られます。
1. 何度も嘔吐を繰り返す(ご飯を食べた後、時間を空けずに食べたご飯を丸ごと吐いたり、水を飲んでも全て吐いてしまう)
   
2. 食欲がなくなる
   
3. 元気がなくなる
   
4. おなかを触ると痛がる
   
5. 下痢をする
 
     
 
以上の症状がある、または誤食の可能性がある場合は落ち着いて次の事を確認してください。
何を飲み込んでしまったのか(無くなっている物はないか、おもちゃで足りない物はないか)
   
どれくらいの量を飲み込んでしまったのか
   
飲み込んでしまった大体の時間
 
     
   誤食をさせないための一番の予防策は、届くところに物を置かない、おもちゃなどは遊ぶ時以外はしまっておく事です。誤食はちょっとした事から重大な事故につながる危険があります。ぜひ、日頃から注意してあげてください。  
     
  この記事は2017年4月に制作された内容です。  
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