坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
   〒923-0867石川県小松市幸町3-21 TEL:0761-21-2471 アクセス:JR小松駅より徒歩10分
HOME
医院概要
治療案内
診察室日記
診察室日記
  2018年12月 ノミについて  
 

 寒くなるとついつい忘れがちになってしまうのがノミやマダニといった外部寄生虫の存在。実は条件さえ揃っていれば、寒い冬の間も存在することができるのです!今回はノミについて詳しくお話ししていきます。


 
     
  知っていますか?ノミの事
ミは最も古くから存在する寄生虫で、現在では犬や猫に最も一般的に見られる寄生虫のひとつです。体長は2o程度。通常は犬や猫の被毛の中に隠れており、かなり小さく動きもすばやいため、特に寄生数が少ない場合には見つけ出すのに根気が要ります。そして皆さんご存知のように、寄生した動物の血を吸って生きています。動物に寄生したノミの成虫はほとんど動物の体を離れず、最長120日まで生存して産卵することが可能です。
 
     
 

恐ろしいノミの繁殖力
ノミは動物に寄生してから間もなく吸血し、24〜48時間以内には卵を産み、気温が13℃以上であれば繁殖を繰り返すことができます。ピーク時の7〜8月には1日で40〜50個もの卵を産みます。
更にノミの卵はシラミとは違い、サラサラしていて被毛から落下します(シラミは被毛の根元近くに付着したままなかなか取れません)。
…つまり、例えば知らない間に可愛い家族にノミが寄生しており、家の中で生活をしていれば、ノミは1年中繁殖を繰り返すことができ、その数を確実に増やしている…という事になるのです。考えただけでも鳥肌が立ちますね。

 
 

ノミのライフサイクル

 

ノミのライフサイクル


  成虫(2~3mm)…宿主に寄生する
卵(直径0.5mm)…成虫が寄生して24時間〜28時間以内に産卵。1日約25個の卵を産む。動物から卵が落ち、ちらばる。
幼虫(2〜5mm)…卵は1〜6日で孵化。畳やカーペットなどで幼虫が成長。
サナギ(5mm)…6〜7日で羽化。成虫になって、動物に再び寄生。
 
     
  ノミはかゆいだけではない
 ノミが寄生した動物を吸血することでかゆみが起きます。そこを掻きむしれば皮膚炎になりますし、ノミの唾液に含まれる物質にアレルギー反応を起こすこともあります。
 寄生しているノミの数が多ければ貧血を起こすこともあります。また、瓜実条虫(サナダムシ)の卵を宿したノミをグルーミングの時などに動物が食べてしまった結果、小腸に寄生してしまうこともあるのです。症状に下痢や嘔吐があります(まれに、人間の子供も感染を受けることがあります)。
 
     
  人間にも害はある
 もちろんノミに噛まれればかゆいですし、動物同様アレルギー反応を起こす場合もあります。それから、ノミからの直接的な害ではないものの、猫ひっかき病という人獣共通感染症(ズーノーシス)という病気があります。これは、バルトネラ菌を持ったノミの吸血によって動物に感染・伝播し、その動物が人をひっかいたり噛んだりした際に、傷口から感染します。ワンちゃんやネコちゃんには無害な菌ですが、人の場合は傷口が化膿したり、発熱、リンパ節が腫れあがるというような症状がみられます。
 
     
  動物に寄生したノミを探すことはできる
 ノミ自体を探すのはとてもではありませんが、大変です。そこで見つけていただきたいのが黒い小さな粒。カレンダーの裏など、白い物の上で被毛をかき回してみましょう。そこに黒い粒が落ちていたら、水を含んだティッシュでその粒を溶かすようになじませてみてください。ノミの糞=動物の血ですので、ティッシュがじわりと赤っぽく染まれば、ノミが寄生している証拠になります。
 
     
 

室内で飼っているから大丈夫ではない

 

 短い時間、近所を散歩させただけでノミが寄生してしまった例も、人間が外から持ち帰ってしまった例もあります。ノミは知らない間に忍び寄っているのです。


ノミがついてしまった!洗えば落ちるわけではない
   「ノミがいたけどシャンプーしたから大丈夫!」と思われるかと思いますが、シャンプーで全てのノミを洗い落とすことは不可能です。たった一匹でも残ってしまっていたら、卵を産み落とされる可能性は充分にあります。
 
     
  ノミの駆除・予防には、動物病院で処方されるお薬を
 ノミのお薬は大きく分けて2種類、肩甲骨あたりに滴下するスポットタイプと、食べることで効果を発揮するタイプがあります。お薬によって、持続期間もお風呂のタイミングも寄生虫に対する作用も変わってきますので、ライフスタイルに合ったお薬を選んでくださいね。
※使用できない動物もいますので、獣医師とよく相談してください!
 
  ノミの予備軍  
     
 

再寄生されないように予防が大切
 成虫を駆除しても、予備軍がまた成虫となり再寄生されないように予防が大切です。カーペットのうらやカベと棚のすきまにノミの予備軍がひそんでいるので掃除機でよく吸いましょう。
 眼に見えている成虫のノミは全体の約5%。残り95%は卵や幼虫やサナギの状態で周囲に隠れています。これらの未成熟期のノミや、駆除後に新たに侵入してくるノミを根絶するために、定期的なノミ駆除(駆除剤の投与)でノミのライフサイクルを断ち切りましょう!
 次回はマダニのお話しです。

 
     
  参考:講談社 Interzoo as vol.30 No.4
日本全薬工業株式会社 パンフレット
ノバルティスアニマルヘルス株式会社 パンフレット
 
  この記事は2018年12月に制作された内容です。  
  11月記事/診察室日記に戻る/  

 


 



 

記載内容は予告なく修正、変更を行なう場合が有ります。
Copyright (C) 2018 Sakai Animal Hospital All Rights Reserved.