/ 8月〈2〉 ぶどう膜炎と緑内障
緑内障とは
目の中には眼房水という水が産生されています。この眼房水の圧力(眼圧)により目の張りや大きさが保たれています。
緑内障とはこの眼房水の分泌と排出のバランスがなんらかの原因でくずれ、眼球内部の圧力(眼圧)が高まることにより視力に障害(失明)を起こす病気です。

緑内障
原因
緑内障は自然発生する(原発性緑内障)と他の病気によって発生する(続発性緑内障)があります。原発性は遺伝の関与が疑われます。続発性緑内障は主に前記に上げたぶどう膜炎や水晶体脱臼などにより二次的に起こります。

症状
眼圧が上昇するため激しい痛みが起こります。症状としては、白目の充血、黒目の白濁、瞳孔が開いたまま(散瞳)などがあり進行すると視神経や網膜が障害され視覚が失われます。

治療
緑内障は眼圧が上昇することにより起こる痛みや視覚障害を起こすため早期の治療が必要です。治療は点眼薬、内服薬などによる内科治療がはじめの選択肢になりますが、状況によっては点滴や外科手術を考慮する必要があります。
視覚が完全に失われたと判断した場合はインプラント(義眼)を挿入することもあります。

緑内障

院長の一言
緑内障は眼圧が高く痛みをともなう疾患ですが、軽度の眼圧上昇ではあまり痛みを感じないようです。また、高眼圧でも慢性化してしまうと、同じように痛みがともわなくなってしまうので飼い主さんは治療を継続される飼い主さんが少ないよう思われます。しかしその後、続発性の症状が出現してしまう傾向にあります。痛みが無いからといって治療を(点眼など)を途中でやめず、獣医師の指示のもと治療は継続しましょう。

まとめ
動物たちは飼い主さんに一生懸命シグナルを送っています。しかし、飼い主さんはそのシグナルに気づかず症状が悪化し最悪の場合失明してしまうこともあります。
少しでも一緒に暮らしている子たち(犬、猫)が目を痛そうにする、いつもとは違う動き、精神的に不安な態度など気がついたら見逃さず早めに診察をお願いします。
その子の光を守ることができるのは親(飼い主)です。

8月〈1〉 ぶどう膜炎と緑内障

この記事は2008年8月現在制作された内容です。記載内容は予告なく修正、変更を行なう場合が有ります。
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