/ 12月〈1〉 アレルギーについて(第2回)
食物アレルギー性皮膚炎
食物のアレルゲン(主にタンパクや炭水化物)に対して過敏反応を起こします。

症状
目や口の周り耳介を中心とした顔面、東部の紅斑が主にみられ、下痢や嘔吐などの消化器症状をともなうこともあります。季節性はありません。薬剤による治療では改善しないでしょう。1歳未満の比較的若い年齢で発症することが多い疾患です。

症状
検査
療法食と水以外のものは一切与えない期間を8週間以上続け、改善すれば食物アレルギーと判断します。(除去食試験といいます)除去食試験には動物病院で入手可能な食物アレルギー用の療法食のみを使用しましょう。動物病院で扱っている療法食は主に
(1) 新奇タンパク(これまで与えたことのない食物)を主成分とした低アレルゲンフードと呼ばれるフード
(2) アレルギー反応を起こさないレベルにまでタンパクを加水分解したフード
(3) タンパク成分を含まないアミノ酸フード
(4) アレルギーを起こしづらい成分に皮膚によいとされるサプリメントなどを強化したもの

などが主に扱われていますが、このうち(2)の加水分解フードか(3)のアミノ酸フードを使用しないと、厳密な検査が行えません。なので、除去食試験を行っている間は、盗み食いや間食を一切しないようにしましょう。アレルギーは少量のアレルゲンに対しても強い痒みを示す疾患ですから、たとえ一口でもおやつ類を口にしてしまえば、除去試験は失敗に終わります。

検査
治療
除去食試験で改善がみられた療法食を一生に渡って与え続けることが必要になります。さらにアレルゲンを探していくために、食物成分を1種類づつ加えていきます。症状が現れなければ、その食物にアレルギーはなく、その後与えてもいいことになります。逆に症状が悪化したならばその成分がアレルゲンなので、以後食事として与えることはできません。
食事性アレルギーと診断された犬猫はもちろん、低アレルギー食か加水分解タンパク食しか食べることが出来ません。それ以外のアレルギーと診断された犬猫でも動物病院で処方される療法食はすぐれた食事です。これらの療法食はアレルゲンとなりづらいタンパクや炭水化物で作られているだけではなく、皮膚を強化するサプリメント(必須脂肪酸)なども配合されています。

治療
12月〈2〉 アトピー性皮膚炎

この記事は2009年12月現在制作された内容です。記載内容は予告なく修正、変更を行なう場合が有ります。
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