坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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  2012年6月 看護時の注意点  
 

動物にとって、咳は特に不快なものであり、継続すればその動物の体力を消耗させます。また、咳は病原体を撒き散らし、気道内の炎症をさらに悪化させることもあります。幼犬で多頭飼育の状態では、ケンネルコフなどの伝染性疾患の可能性があるので、犬を隔離する必要があります。咳をする動物の看護は、咳に伴なう症状をできるだけ緩和し、体力を消耗させないように最大限気を配ることが重要です。


 
 

画像4看護時の注意点
これまで述べたように咳の原因はさまざまですので、原因によって看護の仕方も変わってきます。たとえば、肺の異常(肺水腫や気管支肺炎)で呼吸がはやくなっていれば、充分な酸素投与が必要になります。また、気管虚脱や慢性気管支炎、気管支虚脱で持続性発咳が止まらずに発熱している場合は、冷温管理が必要です。ともに温度と酸素濃度を同時に管理できるICU装置での処置があれば理想的です。その場合は呼吸数と咳の頻度を1、2時間ごとに観察して経過を看ます。舌、口腔粘膜でチアノーゼの有無をチェックすることで、咳の重症度を把握できるため診察上、重要な観察点になります。

 

 
   
 

咳を繰りかえす場合
画像5頚部を刺激したり、胸部を強く叩いたりせずに、身体全体をやさしく抱えるようにしてください。抱き上げるときは、頚部下に腕を通さず、胸を腕で包むようにしましょう。元気や食欲の喪失を伴なうような咳は、生命に関わる状態である可能性が極めて高いので注意が必要です。

咳は呼吸器疾患があることのサインであり、あくまでもそれ自体は病気ではありません。咳は気道内にある菌や痰を出す重要な肺の防御機構です。ですから咳の原因となっている病気を正確に診断することが重要です。動物の咳の性質、契機、持続時間について、細かく観察しましょう。

また、慢性気管支炎や気管支虚脱のように痰産生咳を示す場合、乾燥した空気は症状を悪化させます。室内に温度計を設置し湿度40〜50%に維持するようにしましょう。


 
  参考資料 AS  
 

2012年6月 呼吸器疾患「咳」について1

 
  この記事は2012年6月に制作された内容です。  
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