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フィラリアとは |
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フィラリアの別名は犬糸状虫。蚊が媒介する(蚊によって移される)寄生虫です。最終的には心臓や肺動脈に住み着きます。大体5〜6年は生き続けるそうです。実物の成虫を見てみると、別名の意味がよくわかります。左の画像が実際に犬から手術で取り出したフィラリアの成虫です。始めは蚊が媒介出来る程度の大きさですが、成虫になると名前のように15〜30cm程の素麺のような姿になります。こんな虫が心臓や肺動脈に居ると思うとぞっとしますね…。 |
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フィラリアのライフサイクル |
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1. |
まず、すでにフィラリアに感染しているペットの血を蚊が吸うことで、ミクロフィラリア(フィラリアの子供)が蚊の体内に入ります。 |
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2. |
ミクロフィラリアは蚊の体内で感染能力を持つ幼虫に成長します。 |
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3. |
その蚊が別の健康なペット(主に犬)の血を吸うことで、感染能力を持つ幼虫がペットの体内へと侵入します。 |
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4. |
感染すると、ペットの皮膚の下や筋肉で約3ヶ月発育を続け、その後血管に入り心臓へと向かいます。 |
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5. |
感染から約半年後に心臓や肺動脈に住みついて成虫になります。そこでオスとメスが揃うとミクロフィラリアを産み、それらは血管内を流れて蚊に吸われるのを待つ… |
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という事を繰り返していきます。 |
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蚊の吸血期間 |
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蚊には吸血できる期間とできない期間があります。実は、15℃以上の環境であれば吸血が可能なのです。 |
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フィラリア予防のしくみ |
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一番の予防は蚊に刺されないことですが、そんな事はどうしたって難しいと思います。そこで重要なのがフィラリア予防薬です。予防薬と言われていますが、しくみから考えると実は駆虫薬と言えます。蚊に刺されて感染幼虫が体内に侵入した後、つまり上記Cの幼虫をまとめて駆虫する事がこのお薬の目的です。大体、蚊が出始めて約1ヶ月後から予防を始めるというイメージです。
蚊の吸血期間とフィラリア予防の期間をグラフにしてみました。
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上記は一例です。地域によって気候が違うので予防の期間は変わります。近年、地球温暖化で暖かくなる時期が年々変化しています。それぞれの地域に合った予防期間に合わせてください。 |
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よく、「もう蚊が居なくなったから、予防しなくてもいい?」というご質問をいただきますが、予防薬のしくみ上、蚊がいなくなって約1〜2ヶ月後まで予防を続ける事がとても重要になります。 |
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フィラリア予防薬 |
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近年では様々な種類の予防薬が開発されています。散剤、錠剤、タブレット、チュアブル、スポット、注射…あなたの家族に合った予防薬を選んであげてください。ただ気をつけていただきたいのが、どのお薬も要指示薬だという事。検査をしてフィラリアの感染がない事を確認してから、その子の体重に合ったお薬を処方してもらわないと取り返しのつかない事になる可能性があります。 |