坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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  2017年6月 狂犬病について  
 

 6月です!ご家庭のわんちゃんの、狂犬病予防注射はお済みですか?今回は縁遠いようで実はそうでもない、とても怖い狂犬病についてお話します。

 
     
 

狂犬病とは

  狂犬病予防注射月間 狂犬病ウイルスの感染によって起こる感染症です。"犬"と書いてありますが、ヒトを含む哺乳類全てに感染します。感染動物に噛まれることで、唾液中の狂犬病ウイルスが体内に侵入・感染します。様々な中枢神経障害を引き起こします。※インターネットで検索すると動画がたくさん出てきますが、どれも目をそらしたくなるような症状です。
 発症後の有効な治療法はなく、致死率は100%。ただし、ヒトに関しては噛まれた直後にワクチン接種(暴露後ワクチン)をする事で発症を抑えることができます。犬もワクチンを打って厳重な管理下の元経過を観察しますが、噛まれた犬が狂犬病ワクチンを未接種だった場合は安楽死を勧められることもあるそうです。
   
世界で見る狂犬病
 

世界の発生状況 WHO2004年

 
厚生労働省HPより http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/
   狂犬病は日本、英国、スカンジナビア半島の国々など一部の地域を除いて、全世界に分布しています。年間の死亡者数推計は55,000人に及びます。
   
日本で見る狂犬病
  注射済票(サンプル) 今でこそ狂犬病清浄地域である日本もかつては狂犬病が流行していました。そこで、狂犬病予防法を昭和25年に制定。犬の登録、予防注射、野犬等の抑留が徹底されるようになり、昭和31年以降の発症はゼロとなっています。
 上記の通り、狂犬病予防は法律で犬の飼い主全てに義務付けられています。生後3ヵ月以上の犬に年1回のワクチン接種を行いますが、これを違反すると20万円以下の罰金の対象になります。
 「日本では40年以上も発生していないんでしょ?それに、島国だから安心!」と思われるかもしれません。しかし、近年では日本と同じ清浄地域の台湾で50年ぶりに狂犬病が発生しました。また、国際交流が盛んになった現在では、いつ、何処から、どんなかたちで狂犬病が侵入してきてもおかしくはないと言えます。
 もちろん国も、犬やその他の動物に検疫を義務付けて水際で検疫を実施していますが、私たち一人ひとりが危機感を持つことは決して杞憂ではありません。
 
     
   狂犬病予防法を徹底することによって、わずか7年で日本は感染地域から清浄地域へと変わりました。街ですれ違うわんちゃんと気軽に簡単に触れ合えるこの環境は、実はとてもかけがえのない貴重なもの。それをこれからもずっと守っていくのは私たち飼い主の義務に他ならないのです。年に1度、狂犬病予防注射を受けましょう。  
     
  この記事は2017年6月に制作された内容です。  
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