坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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  2017年7月 熱中症について  
 

 連日厳しい暑さが続いておりますが、皆さま元気にお過ごしでしょうか。今回はこの時期に気を付けていただきたい、熱中症についてお話します。

 
     
 

熱中症とは

  犬や猫はパッドの裏で汗をかきます。 高温多湿な環境下において、身体が適応できなくなる事で生じる症状の総称の事です。犬と比べると猫の発症はまれですが、人間同様ひどい時は命に関わる事もあるため、気を付けたい病気です。犬猫は人間のように汗をかくことができないため、より熱中症のリスクは大きいのです。
(ちなみに犬は主に呼吸で、猫は身体を舐めることで体温調整をしています。)
 犬や猫はパッドの裏で汗をかきます。緊張して診察を受けた後、足の裏がベッタリしている子も少なくありません。
   
熱中症になりやすいのは?
  熱中症になりやすいタイプ@短頭種
A被毛が厚い(寒い国がルーツの種)
B肥満
C呼吸器疾患がある
D幼齢、老齢
 上記以外でも、「興奮して長い時間吠え続けていたら熱中症になっていた」「キャリーケースに入れて長距離を移動していたらストレスから熱中症になっていた」など、健康体でも熱中症に陥るケースはたくさんあります。
   
熱中症になってしまったら
  パンティング(あえぎ呼吸)軽度の症状:
 異常なパンティング、よだれが出る、元気がなくなる

重度の症状:
 けいれん、おう吐、下痢、意識障害
※重度の場合は身体を冷やしながら、一刻も早く受診してください。

 パンティングは健常時にもみられます。舌を出し、唾液を蒸発させる時の気化熱で体温を下げようとする行動です。ネコはあまりパンティングをしません。あまりパンティングが多いネコは一度診察をおすすめします。
常温の流水をかけ続けて体温を下げます。 熱中症になってしまったら、とにかく身体を冷やすことが重要です。身体に常温の流水をかけ続けて体温を下げます。同時に扇風機を当てるのも効果的です。(アイスパックなどは末梢血管が収縮して熱が逃げにくくなる可能性があります)
 この時気をつけていただきたいのが、体温を下げすぎないこと。39.5℃くらいまで体温が下がったら処置を停止します。水分をとれる状態であれば水分補給をし、すぐに受診してください。
   
熱中症にならないために気をつけることは?
  フードをウェットタイプに変えてみる 高温多湿でない環境を作ってあげることが大切です。そして、人間と同じく水分補給が重要です。水飲み場を増やす、あまり水分を飲まない子は、フードをウェットタイプに変えてみるなどの方法もあります。
 わんちゃんならできるだけ気温の低い時間帯に散歩へ行く。エアコンを切った車の中では短時間でも絶対にお留守番をさせない。お留守番の時はエアコンをつけて外出する。猫が好む高所は熱がこもりやすいため、風の流れを作ってあげるなど、過ごしやすい環境を作ってあげましょう。
 
     
   今年の夏はとても暑いそうです。人間でも知らず知らずのうちに熱中症になるケースが増えていますので、大切なペットはもちろん、飼い主の皆さんもどうぞご自愛ください。
 
  参考:株式会社インターズー CLINIC NOTE 141号  
     
  この記事は2017年7月に制作された内容です。  
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