坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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  2018年2月 エリザベスカラー(ネッカー)について  
 

 手術が終わった後や傷ができた時など、何かがあった時に特にお世話になるのがカラー。どういった時にどんな物を付けるべきなのか、簡単にご説明していきます!

 
     
 

エリザベスカラー(カラー、ネッカー)とは

 

 ご存知の方が多いと思いますが、16世紀イギリスのエリザベス朝時代の服装と形が似ていることから、この名前が付けられました。現在ではたくさんの種類のカラーが生産されています。『カラー=つらい、かわいそう』というイメージを覆すような、大変可愛らしい・見ていて思わずほっこりしてしまうデザインの物もありますよ(病院では取り扱いの無い物もあります)。

   
いつ使用するのか
  長い筒状のカラー正面 手術が終わった後や、傷ができたところを舐めたり引っかいたりして酷くしないように、という使い方が一般的です。
 他にも、舐め癖をつけないようにするためや、皮膚炎などによる顔周りの引っかき予防、入院中の点滴を触らないようにするためなど、様々な事に使用しています。
   
どんな時にどんなカラーを装着するのか
 


<眼・顔を守りたい>→長い筒状のカラー
 長い筒状のカラー横方向当院で特に使用されるカラーの形状です。メガホンをご想像していただくと良いかもしれません。基本、鼻先がカラーから出ないくらいを目安に選んでいます。実際に着けた姿を見て「なぜここまで…」と驚かれる方がほとんどです。中には、あまりに可哀想で、ご自身でカラーを短くカットしてしまう方もいらっしゃいます。
タオルやテーブルなどの角、飼い主さんの身体などで傷をこする事 しかし、逆に大きく開いたお花のような形のカラーを着けるとどうなるでしょうか?たしかに前肢や後肢では傷を触ることがほとんどできないのですが、顔がカラーから出ているため、タオルやテーブルなどの角、飼い主さんの身体などで傷をこする事が出来てしまいます。そうなると加減なしにこすってしまうため、治療を受ける前よりも症状を悪化させてしまった…なんて事例も少なくありません。

首の回りにタオルなどを巻きます首の長い体型(Mシュナ、Mダックス、Tプードルなど)の子には、首の回りにタオルなどを巻き、カラーが下がってしまわないよう、工夫をすることもあります(右図参照)。


大きく開いたカラー横方向<肩〜お尻、四肢>→大きく開いたカラー(場合によっては長い筒状のカラー)
 去勢の手術や、舐め癖を防ぎたい時などに使用します。インターネットで検索すると、カップラーメンの器をカラーに改造している写真を見かけることもあり、器用だなぁと感心します。

大きく開いたカラー正面体の柔らかいネコさんやマズル(鼻梁)の長いワンちゃんなどの個体差、保護したい傷のある場所によって、足や口が届いてしまう事があります。その場合は長い筒状のカラーを検討しましょう。


   
ご飯やお水をどう与えたらいいか
   よく相談されるのが、ご飯やお水をどう与えたらいいか…ということです。ひとつは飼い主さん自らお皿を持っていただき、口元に添える方法です。もうひとつは、少しお皿を高めの台に置いてあげる方法です。図で簡単に説明させていただきますね。

言葉にするのが難しい時は、スマホなどで動画を撮ろう
 
     
   いかがでしたか?手術や治療で可哀想な思いをしたのに、なぜ家に帰ってまでこんな不自由をしなくてはいけないの?と思われる方は実際多いです。しかし、ここで気を抜いてしまうと苦しい治療のやり直しになってしまいます。2週間で外れるはずだったカラーが結局1ケ月も着けることになってしまった!という事だけは避けたいですね。

 
 

 
  この記事は2018年2月に制作された内容です。  
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