坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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診察室日記
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  2019年1月 マダニについて  
 

 新たな年がはじまりましたね!不定期な更新になりますが今年も頑張りますのでお付き合いいただけると幸いです。さて、前回はノミについて怖いお話をさせていただきました。今回はさらに怖い、マダニについてお話しさせていただきます!


 
     
  知っていますか?マダニの事
 ダニの中でも、吸血して体が大きくなるのがマダニという種類です。昆虫ではなく、クモやサソリに似た生き物です。大きさは吸血する前が3〜4o。植物の葉先などで寄生する動物を待ち構えています。動物が通るような茂みには必ずマダニがいる、と考えてもおかしくはありません。吸血したマダニの体重は吸血前の200倍にもなり、お腹がいっぱいになったマダニは動物から脱落して茂みに戻ります。
 
     
 

マダニのライフサイクル
 ダニは、吸血・脱皮を繰り返しながら成ダニになります。多くは、生涯に3回吸血して、2回脱皮をします。さらにメスのダニは、地上で最大3000〜4000個もの卵を産みます。孵化した幼ダニは草むらで次の宿主を待ち構え、寄生してゆくのです。
 ダニのピークは春と思われがちですが、実は秋にも多く発生しますので今の時期は特に気を付けましょう。

 
 
   
 

ダニのライフサイクル


 
     
  刺されたら気付く?
 ノミに刺されると強いかゆみを感じますが、ダニはほとんど気づかないそうです。というのも、驚くことにダニは皮膚に噛みつくときに麻酔成分を出すので、吸血して体が膨らんだダニに気付いて初めてダニの寄生を知る、という事が多いそうです。
 
     
  動物のどこにマダニは付きやすい?
  先にお伝えしたとおり、マダニは草が多いところに生息しています。お散歩で草むらに入り、匂いをかいだり遊んだりしている間に寄生されることが多いため、足先や顔回り、お腹や背中はよくチェックしましょう。
 
 
   
 

マダニがつきやすいところ


 
     
  マダニがつくと、動物はどうなるの?
 ノミに比べると一匹の吸血量がとても多いので、寄生した数が多い場合や、寄生されたのが幼体・老体であれば貧血になることがあります。また、マダニは様々な病原体を媒介するため、貧血や皮膚炎だけでなく命に関わる病気を発症することもあるのです。
 
     
 

犬バベシア症

 

 特に恐ろしいのがこの病気。バベシア原虫が赤血球に寄生し、破壊します。貧血、発熱、食欲不振などの症状があらわれ、急性の場合は黄疸や衰弱によって死に至ることもあります。


猫ヘモプラズマ感染症
   病原体が赤血球に寄生することで、赤血球が破壊されて溶血性貧血が起こる疾患です。発熱、元気消失、食欲不振、黄疸、沈うつ、脱水、脾臓の腫大、血色素尿などがみられます。
   
Q熱
   コクシエラ・バーネッティによって起こる病気で、動物が感染してもほとんど症状は示しません。しかし胎盤で大量に増殖するため、感染している猫が出産する際や流産する際に、人に感染する恐れがあります。空気感染が主ですが、保菌マダニが媒介者となることもあります。
   
 
   他にも<ライム病><ヘパトゾーン症><エールリヒア症>など、たくさんの病気を持っています。  
     
  人にマダニがつくとどうなるの?
 マダニは人にもつくことがあります。動物同様、刺されてもなかなか気づかないそうです。そして、病気を発症する可能性も同じようにあります。ですので、ダニの発生する地域で散歩するときは、動物たちへの予防はもちろんですが、飼い主様自身の十分な注意も大切なのです。
 
     
  マダニがついているのを見つけた場合
 「大変だ!取らなきゃ病気になる!」と、慌ててマダニをつままないでください。マダニの口はギザギザなくちばしになっていて、しかも皮膚にくちばしを刺しこんだ時にセメント状物質を流し込むので、ちょっとやそっとでは抜けないようになっています。無理に引きちぎればくちばしは皮膚の中に残ったままになり、それが炎症のもととなってしまいます。さらに恐ろしいのが、マダニの腹をつまむことでマダニの中の病原体が体の中へ入ってしまうことです。
 一番良い行動は、マダニに触らずに病院へ行くことです。病院にはマダニを安全に取るための専用の道具がありますので、キレイに取ることができます。
 
  マダニのくちの拡大図  
  マダニを安全に取るための専用の道具  
     
  マダニの駆除・予防には、動物病院で処方されるお薬を!
 ノミのお薬と同じく、大きく分けて2種類、肩甲骨あたりに滴下するスポットタイプと、食べることで効果を発揮するタイプがあります。お薬によって、持続期間もお風呂のタイミングも変わってきますので、ライフスタイルに合ったお薬を選んでくださいね。
※使用できない動物もいますので、獣医師とよく相談してください!
 
     
   近年、マダニが媒介する多くの感染症の中で話題となっているのがSFTS(重症熱性血小板減少症候群)と呼ばれる病気です。2013年より各地で人間の死亡報告が相次いでいます。この病気は犬や猫での発症は報告されておらず、人間に被害が及びます。近畿や中国、四国、九州で感染患者の死亡が相次ぎました。野生動物やマダニからSFTSウイルスが確認された自治体は、2014年時点で31道府県にのぼります。
 マダニがいそうな場所へ行かれるときは肌の露出を少なく、そして外出したワンちゃんネコちゃんのブラッシングで吸血前のダニを落とすことが重要です。万全のマダニ対策で備えあれば憂いなし!
 
     
  参考:講談社 Interzoo as Vol.30 No.4
日本全薬工業株式会社 パンフレット
 
  この記事は2019年1月に制作された内容です。  
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