坂井獣医科 Sakai Animal Hospital
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診察室日記
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  2018年3月 健康診断について  
 

 人間と比べるとあまりにも短命な、可愛い家族。できるだけ長く健康に、一緒にいたいですね。定期的な検査でいち早く異常に気付いてあげるのが重要です。検査の内容は当院での事例となりますのでご了承ください。

 
     
 

人間年齢に換算すると

 

 ワンちゃんもネコちゃんも、始めの1年で人間でいう18歳くらいにまで成長します。それからは歳をとるペースが遅くなります。7歳がシニア期の始まりとされます。人間でいうと42〜48歳(大型犬は54歳)ほどで、「衰えなんて感じないけど…?」と不思議に思う飼い主さんがほとんどかと思います。しかし、この頃から少しずつ代謝が落ちてくるので、太りやすくなったり体調を崩しやすくなったりします。この頃から、より健康には気を付けた方が良いでしょう。
人間年齢に換算すると

   
   
当院での健康診断(通常)の内容
  血液検査
 血液を採取して一般的な項目の検査をします。そこで問題があれば数項目の追加検査になります。
   
  心電図検査
 

 両前肢の付け根と両後肢の付け根にクリームをつけて、クリップを挟みます。理想は横臥位(右側を下にして横たわった状態)ですが、難しいようであれば立位(四つ足を地面につけて、普通に立った状態)で検査をします。

   
  レントゲン検査
   人間と同じ、X線を通して写真を撮ります。一般的には横臥位で胸腹部を一枚ずつ。異常が見つかれば、身体の向きを変えて追加撮影します。

   
眼科の定期検査も受け付けております。
  眼圧検査
眼圧検査 人間の眼科で行われる「眼に風が当たる検査」と調べていることは同じですが、ワンちゃんネコちゃんの場合はその検査だと正確な値が得られません。そのため、トノベットという機械を使って直接眼にプローブを接触させて測定します。角膜への接触は非常にソフトなため、点眼麻酔も要りません。
 正常値は大体11〜17mmHgです。しかし、興奮したり何処かを集中して視たり、首を強く押さえたりなどすると簡単に異常値が出てしまいます。また、鎮静剤をかけても正確な値が得られないため、一番慎重に行う重要な検査とも言えます。
   
  デジタルカメラでの撮影
 普段写真を撮る時に使うカメラで写真を撮ります。肉眼では確認できないことも、画像を拡大することで分かることがあります。
   
  威嚇検査
 通常、突然物が目前に迫ってくると反射的に眼を閉じます。この反応を片眼ずつ確認します。
威嚇検査
   
  シルマーティアーテストシルマーティアーテスト
 涙の量を図ります。試験紙を下瞼の下に差し込んで、涙の量が正常かどうかを調べます。
※この検査をする時は、最低3時間は目薬を点していない状態であることが前提となります。目薬を処方されている場合は、先生にご確認ください。
   
  対光検査
 光を当てた時に、瞳孔がしっかり縮瞳するか・右と左で反応の違いはあるか・眩しがるかを調べます。
   
  細隙灯顕微鏡検査細隙灯顕微鏡検査(スリット検査)
 細隙灯という拡大鏡を使い、細くて強い光を眼に当てます。前房、虹彩の表面、水晶体、硝子体などを観察することができます。
   
  眼底カメラでの撮影眼底カメラでの撮影
 眼の奥(網膜)の写真を撮ります。この検査は事前に散瞳剤を点眼して瞳孔を広げてから行います。
   
  眼のエコー検査
 点眼麻酔で眼への刺激を減らし、直接プローブを眼に当てて検査をします。
   
基本的に、眼科検査も鎮静剤や麻酔はせずに行います。しかし、通常の検査と比べると眼とカメラの距離がとても近くなるので、どうしても身体が動いてしまう場合は飼い主さんと相談して鎮静剤や麻酔をかける場合もあります。
   
 
     
   いかがでしたか?ワンちゃんもネコちゃんも自分では身体の不調を話すことができません。健康な時の状態を知っておくと、いざ調子が悪くなった時に対比ができるため、より早く異常を発見することができます。また、一見普段と変わらない様子でも、定期的な検査で異常が見つかり、本人が苦しい思いをする前に治療を始める事ができた、というケースもあります。病気が進行してしまうと、食欲が減退した場合に治療のためのお薬を飲むのも一苦労になってしまいます。
 シニア期に入る前は年に1回。6・7歳を迎えるころには年に2回の健康診断を受けることが理想です。可愛い大切な家族の健康管理について、今一度考えてみてください。

 
  参考画像:SA Medicine 67号

 
  この記事は2018年3月に制作された内容です。  
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